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腫瘍:プロミニン1は、悪性形質転換を生じやすい腸幹細胞のマーカーである

Nature 457, 7229 doi: 10.1038/nature07589

がん幹細胞と正常な幹細胞は、どちらも自己複製し、多能性をもち、プロミニン1(PROM1、CD133とも呼ばれる)などの同じ表面マーカーを発現する点で、極めてよく似ている。いまなお明らかにされていないのは、がん幹細胞が変異幹細胞の直接的な子孫であるのか、あるいは、もっと成熟した細胞が腫瘍形成の過程で幹細胞の特性を再獲得したものであるのかどうかである。この疑問を解明するには、正常な幹細胞に発がん性突然変異が起こりやすいかどうかを知る必要があるが、大半の成体組織幹細胞は固有の性質がわかっていないため、その検証が難しいことが証明されている。今回我々は、誘導性Cre、Prom1遺伝子座にノックインした核LacZレポーター対立遺伝子(Prom1C-L)を用い、Prom1が発生中および成体のさまざまな組織で発現することを示す。Rosa26-YFPレポーター対立遺伝子をもつ成体Prom1+/C-Lマウスの細胞系譜追跡実験では、Prom1+細胞は小腸の陰窩底部に位置し、Lgr5を共発現し、腸管上皮全体を作り出すことから、小腸の幹細胞であることが示された。Prom1は、ウイングレス(Wnt)シグナル伝達の異常によって頻繁に発生する、ヒト腸腫瘍のがん幹細胞マーカーとなることが最近報告された。β-カテニンのCre依存性突然変異対立遺伝子(Ctnnb1lox(ex3))をもつProm1+/C-Lマウスにおける内在性Wntシグナル伝達の活性化は、陰窩構造全体の破壊、並びに陰窩底部でのProm1+細胞の不均衡な増殖をもたらす。細胞系譜追跡実験により、これらの細胞の子孫によって小腸全体の粘膜は、限局的な高悪性度上皮内腫瘍形成および陰窩腺腫形成を特徴とする腫瘍組織に置換されることがわかった。これらのマウスのすべての腫瘍性細胞はProm1+細胞から発生したが、Prom1の発現が保持されていた腫瘍細胞は7%のみであった。本研究の結果は、Prom1は、変異Prom1+腫瘍細胞をわずかに含む腫瘍へと形質転換しやすい成体小腸幹細胞のマーカーであることを示している。

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