Letter 発生:WNT11は初期筋繊維の伸長を統制する方向指示因子として働く 2009年1月29日 Nature 457, 7229 doi: 10.1038/nature07564 脊椎動物の初期骨格筋は非常に秩序立った組織であり、そこでは、初期筋繊維である筋細胞はすべて、胚の前後軸に並行に配列している。しかし、発生の際に筋繊維がどのようにしてその方向性を獲得するのかはわかっていない。本研究では、ニワトリの筋発生初期に起こる、筋細胞の方向性をもった伸長にWNT11が必須の役割をもつことを示す。体節の中央境界でWNT11の発現を誘導することが知られている神経管が、筋細胞の方向性をもった伸長に必要かつ十分であることがわかった。また、体節でのWNT11機能の特異的な阻害が、筋細胞配列の無秩序化を引き起こすことを示す。さらにWNT11は、進化的に保存された平面内細胞極性(PCP)経路を介して、この作用を制御していることが見いだされた。PCP経路は、WNT/β-カテニン依存的経路の下流にあり、筋細胞の筋分化プログラムとWNT11発現の開始に必要とされる。また、異所的に局在させたWNT11が、筋細胞の方向性を顕著に変化させうることを明らかにする。これは、WNT11がこの過程で方向性指示因子として作用することを示している。まとめると、これらの結果は、WNT/PCPとWNT/β-カテニン経路の連続した作用が、正常に機能する胚筋繊維の形成に必須であることを示している。また、この研究は、WNTが脊椎動物のPCP経路を制御するための指示因子として作用することの証拠でもある。 Full Text PDF 目次へ戻る