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物性:銅酸化物高温超伝導体における擬ギャップと超伝導の競合

Nature 457, 7227 doi: 10.1038/nature07644

バーディーン・クーパー・シュリーファーの超伝導理論により説明される古典的な超伝導体では、臨界転移温度(Tc)以下の温度領域で電子対の形成とその凝縮が同時に起こり、電子のエネルギー分布にギャップが生じる。しかし、銅酸化物高温超伝導体では、Tc以上の温度領域でも擬ギャップが観測される。超伝導と擬ギャップの関係は、高温超伝導体分野での核心的問題の1つである。電子対の形成に起因するエネルギーギャップは、競合する電子状態に起因する擬ギャップと定性的に類似しているため、一般的な手法で解析してもそれらを区別することは難しい。しかし、擬ギャップと超伝導ギャップのスペクトル成分をそれぞれ見積もり、その相互関係を調べることでこの問題を解決できる。今回我々は、2つのギャップに起因するスペクトル成分を、角度分解光電子分光法を用いて見積もった研究について報告する。超伝導状態におけるコヒーレントピークのスペクトル強度は、超伝導ギャップの波数依存性を反映して、ノードから離れるにしたがい増大するが、アンチノード領域で減少し始める。この著しい非単調性は、超伝導とは競合する電子状態の存在を示唆する。我々は、波数およびドーピング量の関数として比較することで、擬ギャップに起因する低エネルギーのスペクトル強度の損失と超伝導遷移に伴うスペクトル強度の減少とが直接相関することを示す。この結果から、擬ギャップは、電子対の形成に寄与する電子数を著しく減少させることにより、超伝導と競合していると結論する。

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