Letter 生理:哺乳類の調節可能な合成振動子 2009年1月15日 Nature 457, 7227 doi: 10.1038/nature07616 特定の標的遺伝子の周期的な誘導を仲介する自律的かつ自続的な振動子回路は、中枢および末梢の概日時計にみられる微小な遺伝的計時装置である。これらは動態がおもしろく、修復、代謝、シグナル伝達の必須経路の調節に重要であることから、相当な関心を集めている。哺乳類がもつこうした概日時計の詳細な分子機構と発現の動態は、まだ十分に解明されていない。本論文では、自己調節性センス-アンチセンス転写調節回路を基盤にした哺乳類の合成振動子について報告する。この回路は正のフィードバックループと遅延型の負のフィードバックループとをコードしており、自律的、自続的かつ調節可能な振動性の遺伝子発現を実現できる。実験解析と数学的モデル作製により系の詳細な設計を行った後、チャイニーズハムスターの個々の卵巣細胞での緑色蛍光タンパク質濃度の、振動数と振幅が調節可能な振動を、時間差顕微鏡によりリアルタイム観察した。この哺乳類合成時計は天然の周期的過程の動態を知る手がかりとなり、今後の遺伝子治療、細胞治療で用いる人工ネットワークの設計の進歩を助けると思われる。 Full Text PDF 目次へ戻る