Letter 生理:概日リズムの変化が、雑種と異質倍数体の成長力を制御する 2009年1月15日 Nature 457, 7227 doi: 10.1038/nature07523 分離を起こす雑種や安定な異質倍数体には、形態的な強勢がみられ、シロイヌナズナ属(Arabidopsis)の異質四倍体は、親であるArabidopsis thalianaとArabidopsis arenosaよりも大きいが、そうなる仕組みは不明である。概日時計は動植物の代謝経路に関与し、適応度を高める。今回我々は、概日時計遺伝子CIRCADIAN CLOCK ASSOCIATED 1(CCA1)とLATE ELONGATED HYPOCOTYL(LHY)、およびそれらの相反的な調節因子であるTIMING OF CAB EXPRESSION 1(TOC1)とGIGANTEA(GI)のエピジェネティックな修飾が、下流にある遺伝子と経路における発現変化を引き起こすことを明らかにする。異質倍数体とF1雑種では、日中にCCA1とLHYのエピジェネティックな抑制を起こすと、TOC1、GI、およびクロロフィルとデンプンの代謝経路中にあってevening elementをもつ下流の遺伝子の発現が誘導され、クロロフィルとデンプンの生産量が同一環境にある親よりも増加した。TOC::cca1(RNAi)トランスジェニック植物では、cca1とcca1 lhyを変異させたり、日中にRNA干渉(RNAi)によってcca1を抑制したりすると、下流の遺伝子の発現が増大してクロロフィルとデンプン含有量が増える。一方、CCA1を構成的に発現させたりTOC::CCA1を異所発現させたりすると、逆の影響がみられた。CCA1が生産性に影響を及ぼすことから、雑種と異質倍数体は生理経路、代謝経路の概日リズムを介した制御から利益を得て、それが成長力の強化と生物量増加につながっていると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る