Letter 遺伝:DNA複製ループの動態から明らかになるラギング鎖合成の時間的制御 2009年1月15日 Nature 457, 7227 doi: 10.1038/nature07512 すべての生物で、DNA複製を行うタンパク質装置であるレプリソームは方向性の問題を抱えている。二本鎖DNAがもつ逆平行という性質のため、リーディング鎖のポリメラーゼは途切れず連続的に進むことができるが、ラギング鎖のポリメラーゼは逆方向に合成を進めざるを得ない。RNAプライマーの伸長によって、ラギング鎖のポリメラーゼは短い間隔で合成を再始動させ、岡崎フラグメントを作る。少なくとも原核生物の機構では、この方向性の問題は複製フォークのラギング鎖にループが形成されることによって解決され、これによりラギング鎖のDNAポリメラーゼが再方向付けされて、リーディング鎖のポリメラーゼと並行して進むことができるようになる。複製ループは、岡崎フラグメントの各合成サイクル中に伸長したり短縮したりする。本論文では、単分子解析法を用いて、この協調的に起こるDNA複製を行うバクテリオファージT7の、個々のレプリソームによる複製ループの形成と解除をリアルタイムで画像化する。ループの大きさの分布およびループ間の時間の遅れの解析から、プライマー合成の開始と岡崎フラグメントの完成はそれぞれ、ループ解除の引き金となっていることがわかる。引き金が2つあることから、これが二重安全装置として働いて、各岡崎フラグメントの合成後にレプリソームが確実にタイミングよくリセットされるようにしている可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る