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脳:体験は皮質回路に長期間持続する構造的痕跡を残す

Nature 457, 7227 doi: 10.1038/nature07487

哺乳類では、知覚体験が新皮質中にある神経回路の機能および将来の性能に大きな影響を及ぼす。皮質回路が周囲の知覚についての情報を保存する機構の1つは、シナプス結合の再編成だと考えられている。樹状突起棘などの興奮性シナプス構造は動的なもので、個体の一生を通じて知覚入力の変化に応じて敏感に変化し続ける。しかし、樹状突起棘レベルの構造的な変化が、その原因である体験の終了後も持続しうるのか、またそれが情報の長期保存の形態的基盤となりうるかについては、はっきりしていない。今回我々は、片眼の閉鎖(片眼視覚遮断)を繰り返すことで起こる眼球特異的な応答の可塑的変化の際に、成体マウス視覚野の機能的特定領域における錐体ニューロンの尖端樹状突起について棘の動的変化を追跡した。最初の片眼遮断では棘形成の速度が倍加し、それにより棘密度が増加した。この効果は、両眼性皮質にある第5層ニューロンに特異的であり、その大半のニューロンが閉鎖されないほうの眼に対する応答性を増した。両眼視に戻すと、棘の動態は基準レベルに戻ったが、棘の絶対密度は増加したままであり、片眼遮断時に生じた棘の多くは、機能が復帰しつつあるこの時期にも存続していた。しかし、同じ眼の2回目の閉鎖では、棘の追加形成速度は増加しなかった。この構造的可塑性の消失は、繰り返し遮断によってむしろ早く起こるようになる、眼球特異的応答性のロバストな変化とは対照的である。したがって、最初の片眼遮断体験中に形成された棘が、2回目以降の機能的変化の構造的基盤となっていると考えられる。これらの結果は、機能的可塑性と特異的シナプス再編成の間の強い関連性を示すものであり、先行体験が皮質回路内に保存される機構の1つを明らかにしている。

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