Letter 生理:赤脾髄マクロファージの発生と脾臓の鉄恒常性にSpi-Cが果たす役割 2009年1月15日 Nature 457, 7227 doi: 10.1038/nature07472 組織のマクロファージは、位置や表面マーカーや機能の異なる複数の型の細胞からなる不均一な細胞集団である。赤脾髄マクロファージは脾臓の独特なサブセットの1つで、老化した赤血球の除去に関与する。PU.1(Sfpi1とも呼ばれる)やC/EBPα(Cebpa)といった転写因子は骨髄性単球の発生に一般的役割を果たしているが、組織のマクロファージサブセット生成の転写基盤はまだ解明されていない。今回我々は、PU.1に類似した転写因子Spi-C(Spicにコードされる)が、赤脾髄マクロファージの発生を選択的に制御することを明らかにする。Spi-Cは赤脾髄マクロファージで盛んに発現しているが、単球や樹状細胞など、ほかの組織マクロファージでは発現していない。Spic−/−マウスでは、単球やほかのマクロファージサブセットは正常だが、赤脾髄マクロファージの発生には細胞自律的な異常がみられ、これは骨髄細胞でレトロウイルスを用いてSpi-Cを発現させると正常に戻る。赤脾髄マクロファージは、循環中のヘモグロビンの捕捉と鉄の調節にかかわる遺伝子を高度に発現している。Spic−/−マウスは脾臓で赤血球を正常に捕捉するが、捕捉した赤血球を効率よく貪食できず、赤脾髄に選択的な鉄過剰状態が生じる。したがってSpi-Cは、赤血球の再利用と鉄恒常性に必要な赤脾髄マクロファージの発生を制御している。 Full Text PDF 目次へ戻る