Letter

進化:デボン紀の「棘魚類」の頭蓋と顎、および現生顎口類の起源

Nature 457, 7227 doi: 10.1038/nature07436

現生顎口類(有顎脊椎動物)が出現したのは古生代初期だが、これについては初期の化石記録が極めて少ないため、いまだにはっきりしていない。古生代のみに存在した「棘魚類」は、最古の顎口類である可能性があり、サメ類と硬骨魚類の特徴が混在していることから、初期の顎口類進化に関する議論において以前から重要な位置を占めてきた。棘魚類と現生顎口類との類縁関係はまだ明らかになっていないが、その原因の1つは、石灰化していない内骨格がめったに化石化しないことである。本論文では、デボン紀初期(約418〜412 Myr前)の棘魚類であるPtomacanthus anglicusのものとしては最初の頭蓋標本を報告し、原始的な顎口類間の相互関係を見直す。これまで、棘魚類の頭蓋はアカントーデス(Acanthodes)という単一属のものしか発見されておらず、この属は化石記録において棘魚類の最初の出現から100 Myr以上経って現れる。Ptomacanthusの頭蓋は、アカントーデスがもつ硬骨魚様の頭蓋とは大きく異なっており、板皮類および一部の初期軟骨魚類と共通する原始的な特徴が複数認められる。最も目立つのは、極端に短い蝶形骨領域および顎を支える構造であり、一部の古生代の軟骨魚類と硬骨魚類の中間的な特徴を示している。系統発生解析から、Ptomacanthusは、最も原始的な軟骨魚類、またはすべての現生顎口類の姉妹群のいずれかであると判定される。これらの新しいデータは、原始的な顎口類の系統発生に関するこれまでの考え方を修正するものであり、初期顎口類の特徴の獲得に関してより詳細な情報を得る上で役立つ。

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