Article 腫瘍:細胞周期の制限はDNA損傷を制限し白血病幹細胞の自己複製を維持する 2009年1月1日 Nature 457, 7225 doi: 10.1038/nature07618 白血病の発生と維持には、幹細胞の特性をもつごく少数の細胞が不可欠である。幹細胞を定義する1つの特徴は自己複製能であり、この能力は白血病幹細胞では顕著な延長がみられる。しかし、その基盤となる分子メカニズムはほとんど明らかにされていない。本論文で我々は、細胞周期阻害因子であるp21の発現が、白血病幹細胞の自己複製の維持に必須であることを示す。白血病に関連するがん遺伝子をマウスの造血幹細胞に発現させるとDNA損傷が起こり、p21依存性の細胞応答が活性化され、結果として、可逆的な細胞周期の停止とDNA修復が誘導される。DNA損傷の過剰な蓄積や白血病幹細胞の機能的枯渇を防ぐ上で、活性化されたp21は非常に重要である。これらの結果により、p21には発がん性があることが明らかとなり、DNA修復機構の抑制が、増殖の遅い白血病幹細胞を根絶するための有力な方法となる可能性が示唆される。 Full Text PDF 目次へ戻る