Letter 細胞:ニッチ中に存在する個々の造血幹細胞/前駆細胞の、生きた動物体内での追跡 2009年1月1日 Nature 457, 7225 doi: 10.1038/nature07434 幹細胞はニッチと呼ばれる特殊な制御環境中に存在し、この微小環境から、どのように組織を形成、維持、修復するかの指示を受ける。我々は以前に、移植された造血幹細胞と造血前駆細胞集団は、骨髄の微小血管のケモカインCXCL12が特に豊富な領域に局在することを報告した。今回我々は、生きたマウスの頭蓋冠骨髄で高分解能共焦点顕微鏡と二光子ビデオイメージングを組み合わせて個々の造血細胞を経時的に観察するという方法を用いて、放射線照射したc-Kit受容体欠損マウスをレシピエントとして移植した造血幹細胞、造血前駆細胞が、ホーミング、生着する際に、血管、骨芽細胞、骨内膜表面とどのように関係するかを調べた。骨芽細胞は網目状の微小血管中に巻き込まれており、この複雑な構造の中での幹細胞/前駆細胞の相対的位置は、非ランダムかつ動的であることがわかった。初期の細胞の存在位置には、細胞の自律的要因、非自律的要因の両方が影響を及ぼしていた。異なる造血細胞集団は、分化の程度に応じて別の位置に局在した。生着や増殖を引き起こす生理的刺激を受けたときには、骨髄幹細胞/前駆細胞は骨や骨芽細胞に非常に近い位置に移動した。この分析方法によれば、これまでは生物全体のレベルで長期的な結果を調べるしか研究方法がなかった諸過程を、細胞1個のレベルでリアルタイム観察することができる。 Full Text PDF 目次へ戻る