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腫瘍:p53とPtenは神経とグリオーマにおける幹/前駆細胞の再生と分化を制御する

Nature 455, 7216 doi: 10.1038/nature07443

グリオブラストーマ(神経膠芽腫;GBM)は極めて致死性の高い脳腫瘍で、病歴と分子プロファイルが異なる2種類のサブタイプに分けられる。原発性のGBMサブタイプは悪性度の高い腫瘍として急速に生じ、一般にEGFRPTENINK4A/ARFCDKN2Aとしても知られる)に変異をもつ。一方、続発性のGBMサブタイプは悪性度の低い腫瘍から徐々に進行して生じ、PDGFTP53に変異をもつ。今回我々は、マウスの中枢神経系(CNS)で、CNS特異的にp53およびPten遺伝子の両方が欠失すると、臨床的、病理的、分子的にヒトの原発性GBMと著しく類似する、急激に発現し悪性度の高い浸透性のグリオーマ(神経膠腫)表現型を示すことを明らかにする。この遺伝的知見を受け、ヒトの原発性GBMにおけるTP53およびPTENの変異解析を行った結果、予想されていたPTENの変異だけでなく、TP53にも予想外に高頻度な不活性型変異が認められた。トランスクリプトームのプロファイリング、in silicoプロモーター解析、並びにマウス神経幹細胞(NSC)の機能研究を統合させた結果、p53Ptenの片方でなく両方を不活化させると、高い再生能をもった未分化状態が促進され、Mycタンパク質の増加とそれに関連する特徴を示すようになる。機能研究により、このモデルに由来する腫瘍ニューロスフェア(TNS)と同様、p53、Ptenが共にヌル(p53−/− Pten−/−)のNSCでも、Myc活性の増加が分化の抑制と再生の亢進に強く寄与することが確認された。Mycは、p53−/− Pten−/− TNSの強い腫瘍化能を維持させる役目も果たす。マウスモデルを用いたこれらの研究結果は、ヒト原発性GBMでのトランスクリプトーム/プロモーター研究による確認とあわせて、ヒト原発性GBMにおける一般的な腫瘍抑制変異プロファイルの病原的役割を明らかにするものであり、Mycが正常と悪性の幹/前駆細胞の分化、自己複製、腫瘍化能の制御におけるp53とPtenの協同的作用の重要な標的であることを実証している。

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