Letter 進化:真核生物およびシアノバクテリアの最初の出現時期の見直し 2008年10月23日 Nature 455, 7216 doi: 10.1038/nature07381 酸素発生型光合成の進化は地球表面の化学的特性に大きな影響を及ぼし、24.5億〜23.2億年前の大気中酸素濃度の急上昇や、非常に厳しい氷河時代の到来につながった。酸素発生型光合成に関して広く認められている最古の証拠は、ピルバラ・クラトン(オーストラリア)の約27億年前の頁岩から抽出された炭化水素であり、そこには真核生物の存在を示すとともに酸素発生型シアノバクテリアの存在も示唆するバイオマーカー(分子化石)の痕跡が含まれている。これらの可溶性炭化水素は、変成作用による変化がみられ、堆積有機物の大部分と比較して13C含有率が極端に高かった(10〜20‰)が、この可溶性炭化水素は現地成で同生のものとされた。本論文では、最初にバイオマーカーが得られた標本を含むこれらの変成頁岩に由来する焦性瀝青(熱変成した石油)および油母の、in situのマイクロメートルスケールでの13C/12C測定値を示す。これにより、油母と焦性瀝青はともに、13C含有率が極めて低いことがわかり、現地成の石油は抽出された炭化水素に比べて比重が10〜20‰小さいことが示された。この結果は、バイオマーカーが現地成起源だとする説と一致しない。由来はともあれ、これらのバイオマーカーは約22億年前の変成作用のピーク時の後に岩石内に取り込まれた可能性が高く、始生代に真核生物およびシアノバクテリアが存在した証拠とはならない。したがって、真核生物およびシアノバクテリアの最古の化石証拠は、それぞれ17.8億〜16.8億年前および約21.5億年前まで時代が下ることとなる。今回の結果は、約27億年前の酸素発生型光合成に対する証拠を排除し、酸素発生型シアノバクテリアの出現から24.5億〜23.2億年前の大気中酸素濃度の上昇に至るまでに長い期間(約3億年)があったことのバイオマーカーによる従来の証拠を棄却するものである。 Full Text PDF 目次へ戻る