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量子情報科学:31P核スピンを使った固体量子メモリー

Nature 455, 7216 doi: 10.1038/nature07295

異なる物理形態、例えば処理を行う部分とメモリー部分との間での情報転送は、通信と計算の中心課題の1つである。量子計算ではこうした転送が重要であり、脆弱な量子ビット(キュービット)の完全性を保護するためには多大な努力を払う必要がある。しかし、量子情報の転送は、その過程が情報の量子性を保つために常にコヒーレントでなければならないため、特に難しい。本研究では、同位体的に純粋な28Si結晶中の31Pドナーにマイクロ波と高周波を組み合わせたパルスをかけることで、電子スピンからなる「演算」キュービットの重ね合わせ状態の、核スピン「メモリー」キュービットへのコヒーレントな転送を実証した。状態は電子のデコヒーレンス時間と比べて長い時間スケールで核スピンにとどまり、その後電子スピンへコヒーレントに転送されて戻される。このようにして31P核スピンが固体量子メモリーとして機能することが証明された。全体の保存-読み出しの忠実度は約90パーセントであり、損失は不完全なスピン回転から生じている。忠実度は合成パルスを使うと改善できる。この量子メモリー素子のコヒーレンス寿命は5.5 Kで1 sを超える。

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