Letter

細胞:哺乳類細胞では、複製フォークの動きがクロマチンのループの大きさと複製起点の選択を決める

Nature 455, 7212 doi: 10.1038/nature07233

ゲノムの安定性のためには、1回のS期につきDNA複製が必ず1回、それも1回に限って起こる必要がある。新たに複製されたDNA上での複製起点の発火を防ぐ仕組みは詳しく明らかにされているが、それに比べると、複製開始の間隔すなわちDNA複製完了の間隔を制御する仕組みについては、わかっていることがはるかに少ない。今回我々は、チャイニーズハムスター細胞における複製起点の使用が、複製フォークの動きとクロマチンループの編成に応じて決まることを明らかにする。複製速度が低下しても、それが引き金となって数分以内に潜在的な複製起点が動員されるために、適時にS期が完了できる。ゆっくりと複製中の細胞を複製フォークが速く進むような条件下に移すと、活性な複製起点の総数の減少が2時間以内に起こるが、細胞が完全な細胞周期を一度たどらないかぎり、各起点特有の効率は元に戻らない。あるS期の複製の速度と、次のG1期におけるクロマチンループの大きさとの間には、厳密な相関関係が観察された。また、G1期にクロマチンループが固定されている部位やその近くにある起点が、次のS期に選択的に活性化されることがわかった。これらのデータから、複製の速度がクロマチンループの固定位置の間隔を決定し、今度はそれが複製開始部位の選択を調節するという複製起点プログラミング機構が示唆される。

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