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進化:オキシリピン生合成酵素の進化経路に関する構造的考察

Nature 455, 7211 doi: 10.1038/nature07307

オキシリピン経路は、プロスタグランジンに似たジャスモン酸だけでなく、野菜や果物に特徴的な芳香を与える「緑の香り」(green leaf volatiles;GLV)を生成する。アレンオキシドシンターゼ(AOS)とヒドロペルオキシドリアーゼはそれぞれ、ジャスモン酸とGLVの合成にかかわる特殊なシトクロムP450ファミリーのメンバーであるが、これらの酵素がそのヒドロペルオキシド基質を異なる産物に変える仕組みは明らかになっていない。今回我々は、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のAOSについて、遊離状態、および基質または中間体アナログと複合体を作った状態の結晶構造を示す。これらの構造から、芳香族のπ系との相互作用によりエポキシアリルラジカルやその陽イオンの反応性を制御するように置かれた独特の活性部位が明らかになる。これらの過程にかかわるアミノ酸を非分極性の残基によって置換するとAOS活性が顕著に低下し、この置換は意外にも、AOSをGLV生合成酵素に変えるのに必要十分であった。さらに、我々の構造データをバイオインフォマティクス解析および生化学解析と組み合わせることで、植物の成長を促す根圏細菌の以前には知られていなかったヒドロペルオキシドリアーゼやサンゴのAOS、そしてナメクジウオのエポキシアルコールシンターゼが見いだされた。これらの結果は、オキシリピン生合成遺伝子は植物と動物の最後の共通祖先には存在したが、その後、板形動物門、刺胞動物門、頭索動物亜門以外のすべての後生動物の系統から失われたことを示唆している。

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