Article 生態:底生深海生態系の機能に対するウイルスの大きな影響 2008年8月28日 Nature 454, 7208 doi: 10.1038/nature07268 ウイルスは、世界の海洋で最も数の多い生物有機体である。ウイルス感染は、独立栄養および従属栄養プランクトンを含む広範な生物の主要な死因の1つであるが、海洋深層および底生の生物圏に対するウイルス感染の影響は全くわかっていない。本論文では、世界全体の深海底生生態系におけるウイルスの生産量は極めて高く、原核生物による栄養生産量の80%にあたる減少はウイルス感染が原因であることを報告する。ウイルスによってもたらされる原核生物の死亡率は、水深が増すにつれて高まり、水深1,000 m以深では、ほとんどすべての原核生物従属栄養生産量は、有機デトリタスに転換される。ウイルスによるこの転換は、年間およそ0.37〜0.63ギガトンの炭素を全球スケールで放出しており、深海生態系における、分解可能な有機デトリタスの重要な供給原である。この過程は、原核生物の高いバイオマスを維持し、原核生物の代謝へ大きく関与して、その代謝系が深海生態系の有機資源が厳しく制限されている状況に対処することを可能にしている。これらの結果は、全球の生物地球化学サイクルや、深海における代謝、および地球の生物圏で最大の生態系の機能全般において、ウイルスが重要な役割を果たしていることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る