Letter 地球:らせん状の電流が形成される地球ダイナモシミュレーション 2008年8月28日 Nature 454, 7208 doi: 10.1038/nature07227 計算機シミュレーションは地球ダイナモの解明を進めるために重要な役割を果たしてきたが、現実的なパラメーター領域での地球ダイナモの直接的な数値シミュレーションは、まだ現在のスーパーコンピューターの能力を超えている。地球ダイナモをシミュレーションする上での困難は、地球の外核が極限的な状態にあることに起因しており、これは、システムの無次元パラメーターの値が極端に大きかったり、小さかったりすることで特徴付けられる。その中でもエクマン数Eは、シミュレーションが現実の外核の条件からどれだけ離れているかを測る指標として使われる。現実の外核の条件では、Eは10−15のオーダーである。地球ダイナモの初期の計算機シミュレーション以降、達成できたエクマン数は着実に減少しており、最近の地球ダイナモシミュレーションでは10−6のオーダーとなっている。本論文では地球シミュレータの4,096 CPUを用いた、エクマン数が10−7のオーダーの地球ダイナモシミュレーションを示す。これは、これまでで最高の分解能のシミュレーションである。外核の対流構造と磁場の構造は共に、エクマン数が大きい地球ダイナモでみられたものと質的に異なることがわかった。対流は、これまでみられていたような柱状のセル構造をもつのではなく、自転軸方向に伸びた薄いシート状プリュームまたはシート状ジェット流の形態をとっている。このシート状プリューム対流は効率のよいダイナモであり、生成された電流はスプリングのようならせん型や、時にはドーナツ型になっていることがわかった。 Full Text PDF 目次へ戻る