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細胞:2つの異なった品質管理区画への誤って折りたたまれたタンパク質の分配

Nature 454, 7208 doi: 10.1038/nature07195

細胞内のアミロイド封入体は、ハンチントン病やプリオン病などの神経変性疾患の多くにみられる特徴だが、この封入体への誤って折りたたまれたタンパク質の蓄積は、細胞内タンパク質品質管理機構の異常によって起こると考えられてきた。今回我々は、真核細胞である酵母と哺乳類細胞の培養モデルで、誤って折りたたまれたタンパク質の封入体が細胞質中に形成される過程について調べた。誤って折りたたまれた細胞質タンパク質を隔離する細胞内区画は、2種類あることがわかった。品質管理の対象となる基質をどちらの区画へ分配するかは、その基質のユビキチン化状態と凝集状態によって決まるらしい。誤って折りたたまれたタンパク質のうちで、可溶性のユビキチン化タンパク質は、核近傍のプロテアソーム濃度の高い区画に蓄積される。これに対し、対処不可能なほど凝集が進んだタンパク質は空胞周辺の封入体へと隔離される。特に注目すべきなのは、病気と関連したハンチンチンタンパク質やプリオンタンパク質が選択的に空胞周辺区画へと運ばれることである。プリオンタンパク質のユビキチン化を促すだけで、核近傍の封入体への蓄積を促進するのに十分である。これらの知見は、ヒトの病気に関連するアミロイド形成タンパク質の封入体への選択的蓄積の機構を解明するための枠組みとなる。

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