Letter

細胞:多能性体性幹細胞はショウジョウバエ精巣の幹細胞ニッチに寄与する

Nature 454, 7208 doi: 10.1038/nature07173

成体の幹細胞を取り囲むニッチと呼ばれる特別な微小環境は、幹細胞の挙動を調節する上で重要な役割を果たす。そのため、ニッチの数、サイズ、機能の厳密な制御は、幹細胞と、組織の恒常性や傷の修復に利用できる前駆細胞との間の適切なバランスの維持に不可欠である。ショウジョウバエの雄の生殖腺の幹細胞ニッチは精巣の先端に位置しており、幹細胞の自己複製と維持に必要な約10〜15個の体細胞集団(先端部ハブ)の周りを生殖幹細胞と体性幹細胞が囲んでいる。本論文では、ショウジョウバエ精巣の体性幹細胞が、先端部ハブと体細胞性のシスト細胞系列の双方に寄与することを示す。上皮カドヘリンのショウジョウバエ・オルソログ(DEカドヘリン)は、体性幹細胞の維持に必要とされ、その結果として、先端部ハブにも必要とされる。さらに、これらのデータは、転写抑制因子escargotが、体細胞がハブ細胞としての性質をもち、かつ(または)それを維持する能力を調節することを示している。今回の結果は、幹細胞とニッチとの間の動的関係を強調し、生物の一生を通じて正常な組織恒常性と臓器再生を支えるためのニッチサイズと機能を制御する遺伝的プログラムについての手がかりを与えるものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度