Article 心理:小児期の平等主義 2008年8月28日 Nature 454, 7208 doi: 10.1038/nature07155 ヒトの社会的相互作用は、他者への配慮の選好、すなわち他者の幸福を気遣う気持ちに強い影響を受けている。この種の選好は、遺伝学的に類縁関係のない人々との大規模な協力行動という、ヒト社会に特有の特徴に重要なものであるが、その発達の根源に関してはほとんどわかっていない。本論文では、小児期の他者配慮選好が不平等回避という特有の形態をとっており、それが3〜8歳の期間にしっかりと発達することを示す。3〜4歳児では、圧倒的多数の児童が利己的な行動を示すが、7〜8歳児の多くは、有利または不利な不平等を回避する資源配分を選好する。また、不平等回避の形成には、郷党心(パロキアリズム)、すなわち自身の属する社会集団の構成員に有利な計らいをする選好が強く影響している。今回の結果は、ヒトの平等主義と郷党心の発達は発育早期に現れ、根源が深いことを示しており、小児期に利他的配分行動と郷党心が同時出現することは、同一の進化過程がヒトの利他行動と郷党心の両方を推進していると予測する近年の進化理論の観点からみて興味深い。 Full Text PDF 目次へ戻る