Letter

細胞:CLEC5Aはデング熱ウイルスが誘発する致死性疾患で重要な役割を果たす

Nature 453, 7195 doi: 10.1038/nature07013

デング出血熱とデングショック症候群は、デングウイルス(DV)感染に対する最も重篤な反応で、血管透過性の上昇に起因する血漿漏出と血小板数減少を特徴とする。CLEC5A(C-type lectin domain family 5, member A;MDL-1(myeloid DAP12-associating lectin)としても知られる)は、ナチュラルキラーT細胞C型レクチンドメインに類似したC型レクチン様の折りたたみを有し、骨髄細胞のDAP12(12-kDa DNAX-activating protein)と結合する。本論文では、CLEC5Aがデングウイルス粒子と直接相互作用してDAP12のリン酸化を引き起こすことを示す。CLEC5AとDVの相互作用ではウイルスは侵入しないが、炎症促進性サイトカインの放出を促進する。CLEC5A-DV相互作用を遮断すると、インターフェロン-αの放出に影響を与えることなく炎症性サイトカインの分泌を抑制することから、CLEC5Aが炎症性サイトカイン放出によりシグナル伝達受容体の役割を果たすという考えが裏付けられる。さらに、抗CLEC5Aモノクローナル抗体は、DVが誘発する血漿漏出並びに皮下および重要な臓器の出血を抑制し、STAT1欠損マウスのDV感染による死亡率を約50%低下させる。CLEC5Aを介するシグナル伝達系を遮断すると、DV(単独または促進抗体との複合体として)に感染したマクロファージによる炎症性サイトカイン産生が減少するという今回の知見は、デング出血熱とデングショック症候群、そしておそらく他のウイルスによる炎症性疾患の患者でも、組織傷害を軽減し、生存率を向上させるための有望な治療法につながると考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度