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医学:微生物の共生因子は腸の炎症性疾患を防止する

Nature 453, 7195 doi: 10.1038/nature07008

ヒトには、生物分類の六界のうちの五界に属する片利共生生物が多数定着しているが、消化管には有益な微生物と病原となる可能性がある微生物の両方が常在している。細菌相異常(dysbiosis)として知られる細菌微生物相の構成不均衡は、炎症性腸疾患などのヒト疾患の主要な因子であると考えられている。本論文では、ヒトのよく知られた共生細菌であるBacteroides fragilisが、病原となりうる片利共生細菌Helicobacter hepaticusにより誘発される実験的大腸炎から動物を防御することを報告する。この有益な活性に必要なのは、単一の微生物分子PSA(polysaccharide A)である。PSAを発現していないB. fragilisが共生している動物では、H. hepaticusの定着によって結腸組織で疾患や炎症性サイトカイン産生が引き起こされる。精製PSAは、動物に投与した場合は腸免疫細胞による炎症性インターロイキン17の産生抑制に必要であり、また、培養細胞でのin vitro反応も阻害する。さらに、PSAはCD4+ T細胞のインターロイキン10産生機能に必要とされることによって、炎症性疾患を防御するとわかった。これらの結果は、細菌微生物相の分子が健康と疾患の間の重要なバランスに影響することがあるのを明らかにしている。PSAのような共生因子の免疫調節能を用いれば、全く新しい生物学的原理に基づくヒトの炎症性疾患の治療法がもたらされるかもしれない。

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