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医学:ヒトA型インフルエンザウイルスのゲノム的、疫学的動態

Nature 453, 7195 doi: 10.1038/nature06945

A型インフルエンザウイルスとヒト免疫系との間の進化的相互作用は、ウイルスのヘマグルチニンの「抗原ドリフト」として表れ、分子進化で最もよく説明されているパターンの1つとなっている。しかし、この病原体のゲノムレベルでの進化動態については、ほとんど明らかにされていない。また、サブタイプのA/H3N2型とA/H1N1型が同時に流行するような、世界規模のインフルエンザ流行の疫学的性質とゲノム進化過程との間の関連についても、同様にあまり解明されていない。本論文では、南北両半球の温帯地域の集団から採取した1,302種のウイルスの全ゲノム解析により、A型インフルエンザウイルスのゲノム進化は、頻繁な再集合と時折起こる選択的除去との間の複雑な相互作用を特徴とすることを示す。サブタイプA/H3N2型とA/H1N1型では進化動態が異なっており、A/H1N1型は流行系統が多様で、これはつまり抗原ドリフトが弱いことを示している。以上の結果から、持続的なインフルエンザ供給源(熱帯地方に存在すると仮定される)から新たな系統が広がり、温帯地方の受容集団へと移行するという、ウイルス生態学のシンク・ソースモデルが考えられる。

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