Letter 生態:海洋地殻における微生物の個体数と多様性 2008年5月29日 Nature 453, 7195 doi: 10.1038/nature06899 海底に露出した海洋リソスフェアは、ガラス質玄武岩の酸化と水和作用を含む海水-岩石変質反応を受けている。玄武岩変質反応は、理論的には化学合成無機独立栄養増殖に十分なエネルギーを供給することが可能である。こういった反応が微生物性バイオマスを作り出すことは実験では明らかにされているが、玄武岩の変質作用に支えられた微生物の存在を裏付ける野外での証拠は得られていない。本論文では、定量的ポリメラーゼ連鎖反応、in situハイブリッド形成法および鏡微鏡法を用いて、海底に露出した玄武岩上における原核生物の細胞数は海底直上の深層海水中の数より3〜4桁多いことを示す。東太平洋海膨(9°N)とハワイ周辺から得られた玄武岩質溶岩の系統発生的解析は、玄武岩を基盤とする生物圏では細菌群集が非常に豊かであり、群集の構成種はこれらの場所の間で共通であることを示している。我々は、変質反応は玄武岩生息環境の栄養基盤となっている化学合成無機独立栄養性微生物の増殖を促進しており、このことは深海における炭素循環および玄武岩と海水との間の化学交換にとって重要なかかわりをもつと考える。 Full Text PDF 目次へ戻る