Letter 地球:地震を発生する珪長質マグマの破壊に対する証拠 2008年5月22日 Nature 453, 7194 doi: 10.1038/nature06989 地震を発生する断層運動は、温度の低い脆い岩石に閉じ込められており、その温度の上限は約600℃であるとずっと考えられてきた。このような考えは、火山性地震は移動するマグマの周囲にある温度の低い岩石内で発生するという見解を支えてきた。しかし、珪長質の溶岩に延性-脆性断層組織が豊富に含まれることが最近発見され、地震は噴火するマグマ自体内部での破壊と断層運動が引き金となっている可能性があるという直感に反した仮説につながった。この仮説は、群発微小地震活動は断層粘土に覆われた溶岩尖塔の貫入と同時に起きるという、成長する溶岩ドームについての最近の観測に裏付けられており、そこからマグマ内の浅部剪断帯に沿った地震学的固着すべりモデルが生まれている。しかし、高温で噴火するマグマ内の破壊や断層運動によって、観測可能な規模の地震が実際に発生しうるのだろうか。本論文では、火山をシミュレートした条件でシリカに富む高温マグマを変形させ、高温マグマの破壊によって地震が発生するという仮説を検証した。実験で記録されたアコースティックエミッション(破壊音)は、噴火する温度条件では結晶を多く含む珪長質マグマも含まないものも共に、その内部で地震を発生する破壊が起きうることを示しており、地震を発生する断層運動の既知の条件範囲が拡大された。 Full Text PDF 目次へ戻る