Article 構造生物学:RecA-ssDNA/dsDNAの構造から示される相同組み換えの機構 2008年5月22日 Nature 453, 7194 doi: 10.1038/nature06971 ATPアーゼのRecAファミリーは、ゲノムの完全性を維持し、遺伝的多様性を生み出すのに欠かせない反応である相同組み換えを仲介する。RecA、ATP、一本鎖DNA(ssDNA)はらせん状フィラメントを形成し、これが二本鎖DNA(dsDNA)に結合して相同な部分を探し、相補鎖の交換を触媒して新たなヘテロ二重鎖を作り出す。今回我々は、大腸菌(Escherichia coli)のRecA-ssDNAおよびRecA-ヘテロ二重鎖のフィラメントの結晶構造を解いた。それらから、ssDNAとATPがRecA-RecA界面に協同的に結合していることが示され、DNA結合のATP依存性が説明された。ATPのγ-リン酸はRecA-RecA界面で、ATP加水分解も刺激する2個のリシン残基によって感知され、これがDNAの放出機構につながる。DNAは全体に巻きが緩く引き伸ばされているが、局所的にはB-DNA様のコンホメーションをとっており、それにより相同探索がワトソン-クリック型の塩基対形成に限定される。相補鎖は主に塩基対形成によって相互作用するため、ヘテロ二重鎖形成は厳密に相補性に依存することになる。巻きが緩く引き伸ばされたフィラメントというコンホメーションは、おそらくドナー二重鎖を不安定化させ、相補鎖を解放して相同探索できるようにするために進化したものと思われる。 Full Text PDF 目次へ戻る