Letter 気候:原生代後期における氷期後のCO2濃度上昇を示す三酸素同位体組成の証拠 2008年5月22日 Nature 453, 7194 doi: 10.1038/nature06959 大気は岩石圏、水圏、生物圏と密接に関連しているので、地質時代の大気組成の解明は、地球システムの歴史の解明に極めて重要である。岩石圏と水圏の歴史の大部分は岩石や鉱物の記録に含まれているが、大気についてのこれに対応する情報は、直接記録を欠くため、非常に少なく、捉えにくい。過去の二酸化炭素、酸素、メタンの濃度は、堆積鉱物や化石、地球化学モデルを用いて絞り込まれてきた。本論文では、古代の蒸発岩や重晶石から得られた硫酸塩の三酸素同位体組成から、過去7億5,000万年間にわたる負の酸素17同位体比異常の変動が明らかになることを示す。我々は、これらの異常が大気中の酸素の偏差に跡を残し、さらに、成層圏のオゾンと二酸化炭素や酸素を結びつける光化学反応ネットワークを通して過去の二酸化炭素分圧(pCO2)を表していると考える。今回の結果は、pCO2がカンブリア期初期にはそれ以前に比べてずっと高かったことを示唆しており、これは従来のモデリング結果と一致している。また、マリノアン氷河期(約6億3,500万年前)のキャップカーボネートから得られた重晶石における17O同位体比異常が、はっきりした負のスパイク(約−0.70‰)を示していることもわかった。このことは、原生代後期における全球的な氷期直後の重晶石沈殿が起こったころまでには、pCO2が過去7億5,000万年間で最も高くなったことを示唆している。今回の発見は、「スノーボールアース」仮説やマリノアン氷河期以後のメタンの大量放出と一致する。 Full Text PDF 目次へ戻る