Letter 材料:光のレヴィ・フライト 2008年5月22日 Nature 453, 7194 doi: 10.1038/nature06948 ランダムウォークは、粒子または波がランダムな軌跡に沿って移動する確率論的過程である。ランダムウォークが最初に使われたのは流体中の粒子運動(ブラウン運動)の記述であったが、今日では、統計物理学における主要な概念であり、熱、音、光の拡散などの輸送現象の記述に使われている。レヴィ・フライトは特別な種類の一般化されたランダムウォークであり、ウォーク中のステップ長が「裾の重い(heavy-tailed)」確率分布によって記述される。レヴィ・フライトは、スケールに依存しないすべての確率的過程を記述できるため、多様な分野に適用可能であることがわかっており、動物の採餌パターン、人間の移動の分布から、地震挙動の一部までもがレヴィ・フライトで記述されている。レヴィ・フライトに基づく輸送は数値的には徹底的に研究されてきたが、実験的研究は限られており、これまでのところ、実際の材料でのレヴィ輸送の観測・研究は不可能と思われていた。例えば、熱、音、光の拡散に関する実験的研究は、概して、通常のブラウン拡散に限られている。今回我々は、光波がレヴィ・フライトする光学材料が設計可能であることを示す。この材料は、輸送挙動を決定するのに重要なパラメーターを容易に調整できるので、制御下にあるレヴィ・フライトを研究する理想的な実験系となる。光の拡散輸送がレヴィ統計に支配される材料の開発は、通常の光拡散を超える新しい光学機能の開発をも可能にするかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る