Article 生物物理:イカ・ロドプシンの結晶構造 2008年5月15日 Nature 453, 7193 doi: 10.1038/nature06925 無脊椎動物の光伝達にはイノシトール-1,4,5-三リン酸シグナル伝達カスケードが用いられ、このカスケード中では、光活性化されたロドプシンがGq型Gタンパク質、つまり膜結合型ホスホリパーゼCβを刺激するGタンパク質を刺激する。同じカスケードが多くのGタンパク質共役型受容体で用いられており、このことは無脊椎動物ロドプシンが原型的なものであることを示している。今回我々は、スルメイカ(Todarodes pacificus)ロドプシンの分解能2.5Åでの結晶構造を報告する。7つの膜貫通αへリックスのうち、へリックスVとVIは細胞質中まで伸び、別の2つの細胞質へリックスとともに膜表面からの堅い突出部を形成している。この特異な構造はウシ・ロドプシンにはみられず、Gq型Gタンパク質の認識に極めて重要だと思われる。レチナールのシッフ塩基はAsn 87またはTyr 111と水素結合を形成しており、対イオンと推定されていたGlu 180からは離れている。結晶中では隣接モノマーのアミノ末端ポリペプチド間に強い会合が形成されており、この膜間ダイマー形成は光受容体感桿(rhabdom)内で微繊毛膜が六方充填組織を作る原因らしい。 Full Text PDF 目次へ戻る