Letter

物理:頻繁な量子測定による熱力学支配

Nature 452, 7188 doi: 10.1038/nature06873

大きな熱「浴」とそれより小さい系の間は、熱流によって熱平衡へと徐々に近づくが、それらのエントロピーは増大する。熱浴と相互作用する系の統計集団の一部が関係するゆらぎは、この傾向からのずれを生じる。この点で、量子熱力学と古典熱力学は一致する。本論文では、純粋に量子力学的な状況における別の傾向を予測する。すなわち、2準位系(TLS)のエネルギー状態への頻繁な短時間の量子非破壊測定によって起こる、TLSと熱浴との間の熱平衡状態の擾乱である。頻度を増やしながら測定を行うと、まず反ゼノ領域、次いでゼノ領域に遭遇する(それぞれでTLSの緩和の加速、および減速が起こる)。そうすると、この系と熱浴両方の対応するエントロピーと温度は観測する頻度のみに依存して、低くなるか、あるいは高くなるかのいずれかであることがわかる。これは、記憶のない(マルコフ)熱浴で成立する標準的な熱力学の法則とは反する。実用上の観点からは、これら異常なふるまいによって量子系の熱とエントロピーを極めて高速で制御できる可能性が生じる。その結果、熱平衡化やフィードバック制御ループで必要な時間より非常に短い時間間隔で、冷却や状態純粋化が可能となる。

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