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気候:熱帯雨林により維持される大気の酸化能力

Nature 452, 7188 doi: 10.1038/nature06870

陸上の植生、特に熱帯雨林は大量の揮発性有機化合物(VOC)を大気中に放出し、VOCは酸化反応および反応生成物の堆積により除去される。酸化は、主にオゾンの光解離により形成されるヒドロキシルラジカル(OH)によって開始される。これまでは、汚染されていない大気中では、生物起源のVOCがOHを使い尽くしてしまうことで、大気の酸化能力が弱まると考えられていた。逆に、汚染された大気中では、窒素酸化物の触媒作用(NOx = NO + NO2)によって、VOCの酸化が有害な酸化物蓄積につながる。本論文では、アマゾンの原始林上空で行われた大気中の微量ガスの航空機による測定結果について報告する。今回のデータから、OH濃度が予想外に高いことが明らかになった。自然界で起こるVOC酸化反応、特にイソプレンの酸化により、NOxの濃度が低い大気中では、有機パーオキシラジカルの反応を介してOHの再循環が効率よく行われていると考えられる。大気化学モデルによる計算と室内実験の結果から、イソプレンの酸化におけるOHの再循環効率が40〜80パーセントであれば、現地で観測された高濃度のOHを説明できる可能性が示唆された。OHの再循環の基盤となる化学過程をより詳細に調べるにはさらなる室内実験が必要だが、今回の結果は、生物圏は大気環境との間に、注目すべき平衡状態を維持していることを実証している。

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