Letter 医学:T細胞の最初期の胸腺前駆細胞は骨髄系細胞への分化能を有する 2008年4月10日 Nature 452, 7188 doi: 10.1038/nature06840 T細胞の造血系前駆細胞の性質に関してはさまざまな説がある。ほとんどのT細胞は胸腺で発生するが、胸腺にある前駆細胞の系譜分化能は不明である。この疑問を解決する方法の1つが、最初期の胸腺前駆細胞(ETP)の系譜分化能を明らかにすることである。これまでの研究で、ETPがT細胞およびナチュラルキラー細胞へのリンパ系分化能を有することが示されており、またETPの一部の集団がまれにBリンパ系への分化能をも有していることから、ETPがリンパ系限定の前駆細胞起源の1つであることが示唆される。しかし、ETPが骨髄系細胞への分化能も有するか否かは不明である。今回我々は、クローン解析で成体マウスのほとんどすべてのETPがT細胞と骨髄系細胞の両方への分化能を有することを示す。胸腺内にT細胞と骨髄系細胞への分化能を有する前駆細胞が存在することは、T細胞がリンパ系限定の前駆細胞から発生するとされる現時点で有力な造血モデルと矛盾する。今回の結果は、造血過程における系譜拘束の新たなモデルを考える必要性を示している。 Full Text PDF 目次へ戻る