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免疫:成体のT細胞前駆細胞はミエロイド細胞への分化能を保持している

Nature 452, 7188 doi: 10.1038/nature06839

造血の過程で、多能造血幹細胞は順を追って分化能が限定され、いろいろの系列へ分化拘束された前駆細胞が作られる。従来の造血モデルでは、幹細胞は分化の第一段階でミエロイド系(骨髄系)と赤血球系に共通の前駆細胞と、T細胞系とB細胞系に共通の前駆細胞(リンパ系共通前駆細胞)を作り出すと仮定されている。しかし、我々はマウス胎仔を用いたこれまでの研究で、T細胞系とB細胞系に分かれた後でもミエロイド系への分化能が保持されていることを明らかにした。それゆえに我々は、幹細胞はまずミエロイド-赤血球系の共通前駆細胞とミエロイド-リンパ系の共通前駆細胞を作り出すという「ミエロイド基本型」造血モデルを提唱していた。このモデルでは、T前駆細胞とB前駆細胞は、ミエロイド-リンパ系共通前駆細胞から、それぞれミエロイド-T前駆細胞およびミエロイド-B前駆細胞段階を経て作られる。しかし、このミエロイド基本型モデルが成体の造血にもあてはまるかどうかは明らかにされていなかった。本論文では、1個ずつ前駆細胞の分化能を解析する方法によって、成体胸腺の最も未成熟な細胞集団は、B細胞を作り出す能力は失っているが、T細胞に加えて、ナチュラルキラー(NK)細胞、樹状細胞、さらにはマクロファージも作り出す能力を保持した前駆細胞を含んでいることを証明する。我々はまた、そのようなT前駆細胞がin vivoの胸腺環境中でマクロファージを作り出すことも示す。我々の発見は、T細胞がリンパ系共通前駆細胞から作られるという従来のモデルは正しくないことを証拠立て、そして胎生期造血だけでなく成体期造血でもミエロイド基本型モデルが正当であることを支持するものである。

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