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発生:TATAボックス結合タンパク質関連因子Trf3によるゼブラフィッシュの造血系発生の開始

Nature 450, 7172 doi: 10.1038/nature06349

TRF3(TATAボックス結合タンパク質(TBP)関連因子3、別名TBP2)はTBPファミリーの脊椎動物特異的なメンバーで、保存されたC末端領域と、TBPとほぼ同一のDNA結合ドメインをもつ。TRF3は胚発生中に高発現しており、ゼブラフィッシュやアフリカツメガエル(Xenopus)を用いた研究から、正常な胚発生に必要であることが示されている。今回我々は、Trf3を欠失させたゼブラフィッシュ胚では複数の発生異常がみられ、特に造血系の異常が起こることを示す。Trf3依存的な遺伝子の発現プロファイルからmespaが同定された。mespaは転写因子をコードしており、その転写因子のマウスのオーソログは中胚葉の特異化に必要とされる。また、クロマチン免疫沈降によりTrf3がmespaのプロモーターに結合することが明らかになった。Mespaの欠失は発生と造血系の異常を引き起こし、これは、Trf3の欠失によって誘導される表現型と非常によく似ていた。Trf3欠失胚へmespaのメッセンジャーRNAを注入すると発生が正常に回復することから、Trf3の標的の中でmespaはゼブラフィッシュの胚発生に必要とされる唯一の遺伝子であることが示された。Trf3あるいはMespaを欠失したゼブラフィッシュ胚も、造血に必要なcaudal関連遺伝子cdx4を発現しない。Mespaはcdx4プロモーターに結合し、エピスタシス解析からtrf3-mespa-cdx4という順に並ぶ遺伝学的経路が示された。したがってゼブラフィッシュでは、中胚葉の造血系への拘束は、TBP関連因子によって始まる転写因子経路を介して引き起こされることが明らかになった。

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