Letter 細胞:哺乳類の細胞周期の駆動はCdk1のみで十分である 2007年8月16日 Nature 448, 7155 doi: 10.1038/nature06046 酵母菌などの単細胞生物では、たった1個のサイクリン依存キナーゼ(Cdk1)で細胞分裂が起こる。それに対して、哺乳類の細胞では、分裂間期を通過するには少なくとも4つの異なるサイクリン依存キナーゼCdk2、Cdk3、Cdk4、Cdk6が順番に活性化されることが必要で、有糸分裂の際にはさらにCdk1も活性化されなければならないと考えられている。このモデルは、間期Cdkのどれか1つが欠損してもマウスは生存できるという最近得られた遺伝学的証拠によって疑問視されるようになった。さらに、マウスのほとんどの細胞種で、間期Cdkの2つ、あるいは3つまでもが欠損しても細胞増殖が起こる。DタイプやEタイプのサイクリンのようなCdkの活性化サブユニットのいくつかを除去しても同様の結果が得られた。本論文では、すべての間期Cdk(Cdk2、Cdk3、Cdk4およびCdk6)が欠失したマウス胚で、器官形成が起こり、妊娠中期まで発生が進むことを示す。これらの胚では、Cdk1がすべてのサイクリンに結合し、その結果、網膜芽細胞腫タンパク質pRbのリン酸化と、転写因子E2Fにより調節される複数の遺伝子の発現が起こる。これら胚由来のマウス胚繊維芽細胞は、Rbタンパク質の不十分な不活性化により細胞周期が延長するものの、in vitroで増殖する。しかし継代培養を続けると、これらは不死化する。我々はまた、Cdk1が欠損すると、胚は桑実胚期および胚盤胞期まで発生が進まないことを報告する。これらの結果は、Cdk1が細胞周期に必須の唯一のCdkであることを示している。さらに、間期Cdkが欠失していても、Cdk1によって、細胞分裂を進めるのに必要なすべての事象を引き起こせることもわかった。 Full Text PDF 目次へ戻る