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免疫:RNアーゼLによって作られる低分子の自己RNAが抗ウイルス自然免疫を増幅する

Nature 448, 7155 doi: 10.1038/nature06042

抗ウイルス自然免疫は、ウイルス感染細胞中でつくられるRNA分子に応答して開始する。これらのRNAは、α、β-インターフェロン(IFN)の遺伝子を活性化するシグナル伝達カスケードを活性化する。シグナル伝達は、病原体を認識する2種類の受容体のどちらかとRNAとの相互作用を介して起こる。2種類の受容体とはRIG-I(retinoic acid-inducible gene-I、DDX58とも呼ばれる)とMDA5(melanoma differentiation associated gene-5、IFIH1とも呼ばれる)で、アミノ末端にCARD(caspase activation and recruitment domain)とカルボキシ末端にDExD/H Box RNAヘリカーゼモチーフをもつ。RIG-IとMDA5は、もう1つのCARDタンパク質である、ミトコンドリア膜のIPS-1(interferon-β promoter stimulator protein-1、MAVS、VISA、Cardifとも呼ばれる)と相互作用し、そこからシグナルが、転写因子IRF-3(interferon regulatory factor 3)と核因子(NF)-κBを経由してIFN-β遺伝子へと伝えられる。このシグナル伝達経路については詳しく解明されているが、これらの過程を開始させる最初のRNA分子が何に由来するかはわかっていない。本論文では、抗ウイルスエンドリボヌクレアーゼであるRNアーゼLが2-5A(2′,5′-linked oligoadenylate)によって活性化されて自己RNAから低分子のRNA分解産物をつくり、これがIFN生産を開始させることを明らかにする。したがって、RNアーゼLをもたないマウス胎児繊維芽細胞は、2-5A、dsRNA、あるいはウイルス感染に応じたIFN-βの発現誘導に抵抗性を示した。ウイルス感染の際には、RNA一本鎖領域がUpUpおよびUpAp配列の3′側でRNアーゼLの働きによって切断され、その結果、低分子RNAが生じる。このRNAは二本鎖になっている場合が多い。細胞のRNAにRNアーゼLが作用して生じる低分子自己RNAがIFN-βの発現を誘導すること、そして、そのシグナル伝達にはRIG-I、MDA5、IPS-1がかかわることが明らかになった。RNアーゼLをもたないマウスではウイルス感染の際に、感染した野生型マウスに比べてIFN-βの生産量が著しく少ない。さらに、in vivoで2-5AによりRNアーゼLを活性化すると、野生型マウスではIFN-βの発現が誘導されたが、RNアーゼL欠損マウスでは誘導されなかった。これらの結果は、RNアーゼLが抗ウイルス自然免疫応答において必須の役割を果たして、非自己RNAの直接的な感知を不要にしていることを示している。

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