Letter 生化学:部分的にランダム化され触媒作用をもたない骨格構造からの酵素の選択と進化 2007年8月16日 Nature 448, 7155 doi: 10.1038/nature06032 酵素は、穏和な条件下で多様な反応を促進し、化学的、部位的、立体構造的に非常に優れた選択性をもって反応を高効率で促進する、極めて優れた触媒である。化合物や薬物の合成用や、分子生物学研究の手段としての新たな酵素の開発・発見には、相当な関心が寄せられている。既存の酵素を、スクリーニング、選択、方向性をもった進化によって修飾、改良する方法が開発されているが、全く新しい酵素の設計と進化は、これまで化学反応機構に関する広範で豊富な知識に頼ってきた。今回我々は、反応機構に関する既知の情報を必要とせずに、極めて多様性が高く未処理のタンパク質ライブラリーから、産物形成を唯一の選択基準として、全く新しい酵素活性をde novoで創出しうることを示す。我々は、タンパク質が自身をコードするmRNAに共有結合したメッセンジャーRNAディスプレイを使って、1012を超える種類の配列からなるin vitro翻訳タンパク質ライブラリーから、いかなるin vivo段階による制約も受けることなく、機能をもつタンパク質を選択した。この方法は既に、ランダム配列タンパク質ライブラリーと既知のタンパク質折りたたみに基づくライブラリーの両方から、特定のリガンドに結合できる新たなペプチドやタンパク質を進化させるのに使われている。今回我々は、ジンクフィンガー構造に基づくライブラリーから新規RNAリガーゼ群を単離し、続いてin vitroで方向性をもって進化させることにより、これらの酵素をさらに最適化したことを報告する。こうして得られたリガーゼは、200万倍以上の反応速度をもち、複数回の代謝回転を示す。 Full Text PDF 目次へ戻る