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医学:LKB1は肺癌の分化と転移を制御する

Nature 448, 7155 doi: 10.1038/nature06030

セリン/トレオニンキナーゼ11(STK11、別称LKB1)の生殖系列における変異は、上皮癌の発生率上昇と腸過誤腫の発生を特徴とするポイツ・ジェガーズ症候群の発症を引き起こす。多くの散発性癌ではまれであるが、原発性ヒト肺腺癌およびそれに由来する細胞系列では、LKB1を不活性化する体細胞変異が報告されている。本論文では、体細胞で活性化しうるKras変異を有するマウス肺癌モデルを用い、Lkb1の肺癌における役割を他の腫瘍抑制因子と比較した。この系では、Kras変異はp53またはInk4a/Arf(Cdkn2aとしても知られる)の欠失と協同して作用したが、最も強力だったのはLkb1のホモ接合性の不活化との共同作用であった。Lkb1を欠失する腫瘍は、p53またはInk4a/Arfを欠失する腫瘍と比較して潜伏期が短く、組織学的スペクトルの拡大(腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌)がみられ、転移頻度が高くなることが示された。肺の腫瘍発生は、Lkb1のヘミ接合性の不活化によっても促進された。これらの知見と一致して、解析した144例の肺癌のうちの腺癌および扁平上皮癌のそれぞれ34%と19%で、LKB1の不活化がみられた。ヒト肺癌細胞系列およびマウス肺腫瘍の発現プロファイリングから、肺癌でのLKB1による抑制の標的として、NEDD9、VEGFCおよびCD24などのさまざまな転移促進遺伝子が同定された。これらの研究結果から、LKB1は肺腫瘍発生における極めて重要な障壁として、初発、分化および転移を制御していることが明らかになった。

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