Letter

物理:連続的に調整可能なランダム場における強磁性体

Nature 448, 7153 doi: 10.1038/nature06050

物理系や生物系の大部分は無秩序であるが、多くの理論模型は無秩序性を弱い摂動としてしか扱っていない。特に単純な系の1つが、キュリー温度TCに近い強磁性体で、この温度では、一部占有された原子殻のスピンがすべて同じ方向を向く。化学置換により無秩序性を加えると、キュリー点は下がるが、無秩序性が原子スケールで真にランダムであり、かつ強磁性が完全に消失するほどには大きくないかぎり、バルクの測定結果には定性的に新しい現象は表れない。本論文では、単純に測定した磁気応答が、モデル無秩序磁性体のキュリー温度以上では特異となり、その特異性は増大してTCで異常な発散をすることを報告する。この特異な応答の起源は、磁化に有利な方向に垂直な外部磁場によって生じたランダム内部場である。強磁性体はバルク帯磁率やさまざまな画像化手段を使って容易に、そして高精度に研究できることから、ランダム場問題の基礎的研究が進展するだけでなく、応用面で重要な磁壁ピン止め強度の調整メカニズムについても示唆が得られるだろう。

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