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気候:褐色雲による太陽光吸収が拡大するアジアの温暖化傾向

Nature 448, 7153 doi: 10.1038/nature06019

大気中の褐色雲のほとんどは、バイオマス火災と化石燃料の消費の結果として形成される。この雲は光を吸収するエーロゾルと散乱するエーロゾルの混合物であり、したがって、太陽光による大気の加熱と地表面の冷却の両方にかかわっている。この2つの気候強制項の総和、すなわちエーロゾルの正味の強制効果は負であると考えられており、温室効果ガスの近年の急速な増大に起因する地球温暖化の半分ほどをも覆い隠していた可能性がある。しかし、エーロゾルの強制効果には、少なくとも4つの不確定要因が存在する。現在の見積もりの大部分はモデル研究から導かれているため、太陽光による大気の加熱は不確定性の大きな原因である。本研究では、汚染されたインド洋上空の高度0.5 kmから3 kmの間を別々の高度で飛行させた3機の軽量無人航空機を用いた。これらの無人航空機には、エーロゾル濃度、すすの量、太陽光フラックスを測定する小型計測器が搭載された。18回の飛行を通じて、これら3機の航空機を数十m以下の水平間隔と10秒未満の時間間隔で飛行させた結果、太陽光による大気の加熱速度の直接測定が可能になった。その結果、大気中の褐色雲により大気下層の太陽光加熱が約50パーセント増大することが見いだされた。近年観測されたインド洋とアジア上空における鉛直方向に広がる褐色雲の広範囲に及ぶ発生を考慮に入れた大気大循環モデルによるシミュレーションでは、大気中の褐色雲が局所的な大気下層の温暖化傾向に、人為起源の温室効果ガスの近年の増大量と同程度に寄与していることが示唆される。この両方の要因を合わせた結果得られた10年間に0.25 Kという温暖化傾向は、ヒマラヤ山脈の氷河の後退を十分に説明できると思われる。

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