Letter 細胞:ヒトロイコトリエンC4合成酵素による炎症メディエーター合成の構造基盤 2007年8月2日 Nature 448, 7153 doi: 10.1038/nature06009 システイニルロイコトリエンは炎症における重要なメディエーターであり、心血管系や呼吸器系の急性および慢性の炎症性疾患、特に気管支喘息において重要な役割を果たしている。システイニルロイコトリエンの生合成においては、アラキドン酸の変換により不安定なエポキシドであるロイコトリエンA4(LTA4)が形成される。この中間体が、ロイコトリエンC4(LTC4)合成酵素の触媒する反応により、グルタチオン(GSH)の抱合を受けてLTC4が生成する。この反応は、システイニルロイコトリエン形成の重要な段階である。今回我々は、アポ形とGSHとの複合形におけるヒトLTC4合成酵素の結晶構造を、それぞれ2.00Åと2.15Å分解能で示す。この構造はホモ三量体であり、個々の単量体は4つの膜貫通セグメントからなっている。基質と複合体を作っている酵素の構造から、活性部位はGSHに馬蹄形のコンホメーションをとらせ、チオール基が膜-酵素界面にある近隣のアルギニンによって活性化されるのに効果的な位置に来るようにしていることがわかる。さらに、この構造は、親油性の補助基質のω末端が疎水性の裂け目の一方の端にピン止めされ、反応性の高いエポキシドをグルタチオンのチオール基の位置にそろえる「分子物差し」となる仕組みについてのモデルを与える。このモデルはLTC4形成機構について構造面からの新たな手掛かりを与えるものであり、また、観察されたGSHの結合と活性化は炎症および解毒応答に重要な相同タンパク質のファミリーに共通することを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る