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細胞:システイニルロイコトリエン生合成にかかわるヒト膜タンパク質の結晶構造

Nature 448, 7153 doi: 10.1038/nature05936

システイニルロイコトリエン、すなわち、ロイコトリエン(LT)C4およびその代謝物LTD4とLTE4はアナフィラキシー遅延反応性物質の1つで、平滑筋収縮や炎症にかかわる脂質メディエーターであり、特に気管支喘息に関係している。LTC4合成酵素(LTC4S)はLTC4生合成の要となる酵素で、核膜にある18 kDaの膜貫通タンパク質であり、エイコサノイドとグルタチオンの代謝に働く膜貫通型タンパク質(MAPEG)スーパーファミリーに属する。このスーパーファミリーには、5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)、ミクロソームグルタチオンS-転移酵素(MGST)、ミクロソームプロスタグランジンE合成酵素1(MPGES1)などが含まれる。LTC4Sは、アラキドン酸から5-リポキシゲナーゼ経路を経て作られる内在性基質のLTA4にグルタチオンを結合させる。MGST2およびMGST3とは異なり、LTC4Sは生体異物にグルタチオンを抱合させることはない。今回我々は、グルタチオンと複合体を形成したヒトLTC4SのX線結晶解析による3.3Å分解能の原子構造を示す。また、これにより、LTC4Sと他のMGSTの違いのもとであるLTC4SのグルタチオンとLTA4に対する高い基質特異性についての考察が得られる。LTC4S単量体は4本の膜貫通α-へリックスをもち、生物学的な機能構造単位である3回対称型三量体を形成している。そして、三量体中の隣り合う2つの単量体の間の界面を活性部位として、グルタチオンはU字形のコンホメーションをとって存在しており、この結合は界面上部のループ構造によって安定化されている。LTA4は、1つの単量体のArg104がグルタチオンを活性化してチオレート陰イオンを生成し、それがLTA4の炭素6を攻撃してチオエーテル結合を作れるように、また、その隣の単量体のArg31が水素イオンを供与して炭素5に水酸基を形成できるように単量体界面の隙間にぴったりはまり込み、その結果、5(S)-水酸化-6(R)-S-グルタチオニル-7,9-trans-11,14-cis-エイコサテトラエン酸(LTC4)が生じると考えられる。これらの知見は、それぞれ安定性と作用強度が異なる3種のシステイニルロイコトリエンと、それぞれ機能を異にするであろう複数のシステイニルロイコトリエン受容体によって媒介される炎症誘発経路に対するLTC4S阻害剤の開発のための構造的基盤を与える。

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