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生態:南大洋深海の生物多様性と生物地理学的特性に関する初めての考察

Nature 447, 7142 doi: 10.1038/nature05827

南極大陸周縁の浅海底生生物群集は、高レベルの固有、巨大化、低成長、長命、晩熟性を示し、分類群によっては少なからぬ生物多様性を生み出してきた適応放散もみられる。南大洋のさらに深い部分は、非常に深い大陸棚や弱く成層した水柱など、独特の環境特性を有しており、また、世界海洋の深層水の多くの供給源となっている。これらの特性は、南極大陸周縁の深海動物相が、隣接する大陸棚の群集とも他の海洋の群集とも系統的に類縁関係がある可能性を示唆している。しかしながら、浅海の南極底生生物群集と違って、この広大な深海域に生息する生物についてはほとんどわかっていない。本論文では、ウェッデル海と隣接水域の深海(水深748〜6,348 m)で行われた最近の試料採集航海で得られたデータを報告する。このデータから、新しい高度の生物多様性の存在が明らかになった。例えば、今回見つかった等脚類674種のうち、585種が新種であった。水深の増加に伴ってみられる傾向と生物地理学的傾向は、分類群によってさまざまである。等脚類や多毛類のような分類群では、大陸斜面群集は、大陸棚から侵入した種を含んでいた。他の分類群では、大陸棚と大陸斜面の群集は、もっとはっきりと分かれていた。深海の動物相は、他の海洋、中でも大西洋とより強く関連する傾向がみられたが、ただし、それは主に有孔虫のように十分な分散能力をもつ分類群においてである。あまり分散しない等脚類、貝虫類、線虫類には、現在のところ南大洋産しか知られていない種が多数含まれている。今回の知見は、南大洋では深海の生物多様性が低く抑えられているとする見方に異論を唱えるものであり、この極地の環境において観察される多様な生物地理学的パターンの進化学的意味を検討する基礎となるものである。

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