Letter 宇宙:エンセラダスのプルームと熱流束の起源である剪断加熱 2007年5月17日 Nature 447, 7142 doi: 10.1038/nature05783 エンセラダスは土星の小さな氷衛星で、南極付近の高温の熱流束を示す領域内にある局地的な亀裂(「虎の縞模様」)から、活発なプルームを吹き出している。プルームの特徴とその近辺の高温の熱流束は、表面から数十メートル以内に存在する液体の水、あるいはクラスレート化合物の分解によると考えられている。どのモデルも、内部熱の地表付近への輸送が持続的に起こる仕組みを明らかにしようとはしていない。本論文では、熱と水蒸気の発生に対して最も可能性の高い説明が、潮汐作用で引き起こされる横方向(横ずれ)の断層運動による剪断加熱であり、この断層運動は潮汐周期の間におよそ0.5 mの変位を伴うことを示す。この加熱によって発生した水蒸気は、潮汐応力により再び開口した亀裂を通って、プルームとして逃げていく可能性がある。観測された熱流束を発生させるために必要とされる氷殻の厚さは、少なくとも5 kmである。潮汐作用による変位として必要とされる大きさから、ラブ数はh2>0.01であると考えられ、これは、氷殻が地表下の大洋によってケイ酸塩からなる内部と分離されていることを示唆している。我々は、相対温度の最も高い虎の縞模様の領域が、ダマスカスの低緯度側の分岐部分、カイロの西経60度付近、およびアレキサンドリアの西経150度付近に存在すると予測する。 Full Text PDF 目次へ戻る