Letter 細胞:アフリカツメガエル卵の減数分裂停止をもたらすMos-MAPK経路のErp1/Emi2への直接的なつながり 2007年4月26日 Nature 446, 7139 doi: 10.1038/nature05688 脊椎動物において、未受精卵(または成熟卵)は第二減数分裂中期に細胞分裂抑制因子(CSF)とよばれる細胞質活性によって分裂を停止させる。従来のMos-MAPK経路は、長い間脊椎動物卵のCSFによる分裂停止にかかわっているとされてきたが、具体的にどのようにCSF活性を発揮するのかは不明なままである。最近になって、有糸分裂調節因子サイクリンBの分解に必要な後期促進複合体/サイクロソーム(APC/C)の阻害因子である、Erp1(Emi2ともよばれる)もまた、アフリカツメガエルおよびマウスの卵においてCSFの構成因子であることが明らかにされた。Erp1は、Mosと同じく受精や卵の賦活化の際に分解される。しかし、これらの類似性にもかかわらず、Mos-MAPK(マイトジェン活性化プロテインキナーゼ)経路とErp1は、CSFによる分裂停止の際にむしろ互いに独立に働いていると考えられている。本論文で我々は、Mos-MAPKの直下流に位置するキナーゼであるp90rskが、アフリカツメガエルの卵母細胞でのCSFによる分裂停止の際にErp1を直接の基質標的にしていることを示す。Erp1は第一減数分裂期直後に生成され、Erp1のCSF活性による分裂停止にはMos-MAPK経路またはp90rskが必要不可欠である。p90rskは、Erp1のSer335/Thr336をin vivoでもin vitroでも直接リン酸化でき、Erp1の安定性および活性を高める。Erp1は初期胚にも存在するが、この時期にはp90rskに活性がないことが少なくとも部分的な原因となって、CSF活性をほとんどもたない。これらの結果は、脊椎動物卵の減数分裂停止において、従来のMos-MAPK経路がErp1へ直接的につながることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る