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認知:新種の錯覚から明らかになった感覚信号の解読機構

Nature 446, 7138 doi: 10.1038/nature05739

錯覚は、脳が感覚信号を符号化する方法に起因すると通常考えられており、感覚信号の符号化機構を探るために実際よく使われている。しかし、錯覚は脳が感覚情報を解読する方法に起因する可能性もあり、これは、脳が特定の課題を最もうまく解くのに採用する戦略を表しているのかもしれない。微妙な差異を識別する課題では、最も正確な情報は、識別用の境界線から離れたところに同調したニューロンに由来し、観察者はこれらの「はずれた」ニューロンからの信号を使って識別能を最大にしているとみられている。我々は、こうしたニューロンからの信号を用いることで知覚にも「ずれ」が生じるかどうかを調べた。動くランダムドット刺激を用いて微妙な運動方向を識別する課題を行い、観察者の運動方向に関する知覚は実際に識別用の境界線から離れるという「ずれ」が生じることを見いだした。この錯覚は、運動方向を最もよく識別するニューロンからの信号に選択的に重み付けをする信号解読モデルによって詳細に説明できる。別の解読戦略が使われる粗い識別課題では、前述のものと同じ刺激が錯覚を起こすことはなく、この錯覚が生じるのは、微妙な知覚判定をするときに観察者が用いる解読戦略の直接の結果だと考えられる。したがって、動きの主観的経験は感覚ニューロンの反応によって直接生じるのではなく、それらのニューロンの反応が解読された後に生じる。

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