Letter 遺伝:高度保存DNAエレメント、超保存DNAエレメントに関係するSR遺伝子の非生産的スプライシング 2007年4月19日 Nature 446, 7138 doi: 10.1038/nature05676 ヒトとマウスのゲノムには、超保存エレメントとよばれる完璧に保存された長い塩基配列が多数存在する。このような領域は、遺伝子の上流にあるときは転写エンハンサーとして働くことがあるが、遺伝子内部にある場合の働きはよくわかっていない。特に、RNA結合タンパク質をコードする遺伝子の選択的にスプライシングされるエキソンに重なる超保存エレメントについては、機能が全くわかっていない。今回我々は、ヒト・スプライシング調節因子のSRファミリーのすべてにおいて、高度保存エレメントや超保存エレメントは選択的にスプライシングされ、読み枠内の早い位置に終止コドンを含む選択的「有害カセットエキソン」か、3′非翻訳領域の選択的イントロンのどちらかとなることを報告する。こうした選択的スプライシングによって生じたメッセンジャーRNAは、ナンセンス変異依存性mRNA分解とよばれるRNAサーベイランス機構による分解の標的となる。ヒトSRタンパク質のマウス相同体にも、これと同じ非生産的なスプライシングパターンがみられる。これまでに、3種類のSRタンパク質が自身の転写産物のスプライシングを誘導することが知られており、その1つは、選択的スプライシングをRNA分解と結び付けることで発現を自己制御していることが明らかになっている。今回の結果は、非生産的なスプライシングが全SRファミリーの調節に重要な役割を果たしていることを示している。保存された領域が関係する非生産的スプライシングが異なったSR遺伝子で独立に生じてきたことがわかり、スプライシング因子は容易にこのような制御様式を獲得することが示唆される。 Full Text PDF 目次へ戻る