Article 発生:LSD1複合体の発生にかかわる遺伝子の活性化と抑制のプログラムにおける相反する働き 2007年4月19日 Nature 446, 7138 doi: 10.1038/nature05671 後生動物の発生の基盤となる転写プログラムの精密な制御は、エピジェネティックな戦略と共に、酵素活性をもつ複数の共制御複合体によって調節されている。ヒストンメチル基転移酵素や脱メチル化酵素など、ヒストン修飾酵素ファミリーの特定のメンバーが個々の発生遺伝子の活性化と抑制のプログラムを同時に制御するためにin vivoでどのように使われているかは、まだ明らかにされていない。本研究では、CoREST-CtBPコリプレッサー複合体の構成因子であるヒストンリジン脱メチル化酵素LSD1が、下垂体の器官形成中に、後期の細胞系譜の決定と分化に必要であることを示す。LSD1を含むコアクチベーター複合体あるいはコリプレッサー複合体を誘導することによって、LSD1は主に標的遺伝子の活性化に働くと同時に、抑制機構でも機能すると思われる。LSD1依存的遺伝子抑制プログラムは、Krüppel様抑制因子ZEB1の発現誘導に伴い、発生の後期まで延長されうる。ZEB1は、LSD1を含むCoREST-CtBPコリプレッサー複合体の誘導に対する分子指標として働くことができ、初期には活性化にLSD1を必要としたGhなどを含むまた別の遺伝子群に対して転写抑制を引き起こす。これらの結果は、LSD1複合体の特定の構成因子発現の時間的なパターンによって、哺乳類の多くの器官で遺伝子制御プログラムが修飾されることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る