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細胞:RNAP IIの力感受性はバックトラッキング(後戻り)により転写因子依存的に決定される

Nature 446, 7137 doi: 10.1038/nature05701

RNAポリメラーゼII(RNAP II)は、真核細胞においてすべてのメッセンジャーRNAの転写を高度に制御された過程で行っている。この過程は酵母からヒトに至るまで保存されており、細胞機能の中心的なコントロール段階となっている。今回我々は、酵母(Saccharomyces cerevisiae)の単一RNAP II分子の物理的な力に対する転写動態を調べ、さらにTFIISの存在下、非存在下で検討を行った。TFIISは転写伸長因子で、ヌクレオソームという障害を乗り越えて転写効率を上昇させることが知られている。単分子を対象とする2重トラップ光ピンセットアッセイと活性複合体を増幅する新たな手法を組み合わせて、移動を妨げる力に対するRNAP IIの応答は酵素のバックトラッキング(後戻り)だけによって決められていることを見いだした。意外にも、大腸菌のRNAPに対して測定された値の3分の1に過ぎない7.5±2 pNの力がかかるとRNAP II分子は転写を止めてしまい、後戻りした状態から復帰できない。後戻り反応休止時間の分布はt−3/2乗則に従うことが明らかになったが、これは、後戻りの間にRNAP IIはとびとびの塩基対反応段階に拡散することを意味しており、後戻りがRNAP IIの反応休止の大部分の原因であることを示している。重要なことに、TFIISを加えると後戻りした状態にある酵素が救済され、16.9±3.4 pNの力がかかるまで転写が続行されるようになる。総合すると、これらのデータは真核生物における転写伸長の調節機構を示しており、これにより転写因子はRNAP IIの機械的な性能を修飾し、より強い負荷がかかっても機能できるようにしている。

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